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教授が、どうしてもアシスタントを必要として特別に雇ったわけではなく、教授いわく「研究室に勝手に居ついている」らしい。
ピピドゥーエンという変てこで長ったらしい名前が教授はお気に召さなかったようで、「貴様はこれからピッピ君に改名しろ」と教授が命じ、この呼び名で通っている。
教授は彼の話し癖が大嫌いだが、研究室の雑用やら講義準備やらを何かと勝手に手伝ってくれるので、便利使いにそのまま置いているとのことだ。
ちなみに、チャーウィン教授の研究室にはもう一人、別のアシスタントがいる。こちらも正式な助手ではないらしいが、教授は「ピッピ君の一億万倍有能」などと、子供みたいな表現をしていた。
以前に何度か研究室で見かけたが、黒縁眼鏡をかけた大層有能そうなスレンダー美人だったのを覚えている。残念ながら本日は来室していないらしい。
ピッピ君が煎れたニステイトティーを口に含んで、ルートブリッジは室内を見渡す。
所狭しと置かれた文献の数々、講義に使うと思われる教具類。積まれたままになっているテキストや書類の束を見ても、教授があまり整理整頓の得意ではないことは容易に窺い知れる。
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