2.チャーウィン教授という人

4/8
前へ
/78ページ
次へ
 奥は準備室に通じており、そこで教授が書き物を行っているのを見たことがあった。  また、準備室内には雑多に置かれた武具類が数多くあった。両手で扱う片刃の長剣、大太刀というものらしいが、何振りも放って置かれているのを見たときは「なんと不用心な」と思ったものだ。  他にも槍、片手で扱える短剣の類が規則性もなく部屋の片隅に置かれており、これもまた教授の性格をよく表している。とにかく身の周りのことには無頓着なのだ。  教授が、何かの拍子に多少の剣術を心得ているのを聞いたことがある。どれほどの腕前なのかは知らないが、とにかく、武具に関する知識は豊富で造詣が深い。  室内に小さな階段があり、二階でちょっとした観察、実験を行うことがあるらしい。なんの実験かは、まったくもって不明なのだが。 その階段が設置されている向こう側には、鉄製の扉がある。 この扉に関しては、中が何の部屋になっているのかルートブリッジも知らず、教授も特に語ったことがない。
/78ページ

最初のコメントを投稿しよう!

46人が本棚に入れています
本棚に追加