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一攫千金を目論む荒くれ冒険者が集まるシティエイスであれば、当然それに伴って揉め事も起きる。
傷害、強盗などは茶飯事、ときに血生臭い事件が起きることだってある。
これらの事件に対して帝国法規に基づいてすみやかに解決を図る、警察のような役目をも負っているのが衛士所だ。
ハッチスン・J・ルートブリッジが衛士の職に就いたのは、決して正義感などによるものではない。
とりあえず親の目を気にして通っていた職業訓練学校を卒業した後に就きたい職も見つからず、たまたま募集をしていた衛士職が、どちらかといえば細かな技術や知識、あるいは魔法技術が不得手で体力の方に自信があったルートブリッジには、取り組みやすい仕事に思えたからだ。
元来、一つの事にコツコツと打ちこむのが好きな彼は、田舎町の住人どうしの小さいトラブルや町中の設備の補修、果ては畑を荒らされて困っているお年寄りのところの害獣モンスター駆除といった案件を、誠意を持って解決していった。
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