1.衛士長、帝都学校へ

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 学校の入り口に立っている受付兼警備兵は、元はルートブリッジと同じく衛士職上がりの人物で、以前からの顔見知りだ。何度もこの学校へ足を運んでいるうちに一言、二言会話するのが常になっていた。  衛士長に気付くと、腰に提げた警護用ブロンズメイスに手をかけたまま丁寧にお辞儀をする。 「あ、衛士長さん、どうも。今日は朝一番で、またチャーウィン教授のところですか」 「そうなんだ。教授の研究室へ行かせてもらうよ」 「ご苦労様です」  受付をパスしたルートブリッジは、そのまま階上の教授の研究室を目指した。  前もって訪問することは伝えておらず、今抱えている事件捜査の道すがらフラッと寄ったので、教授が研究室に在室しているかどうかはわからない。
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