Summer is coming

19/24
前へ
/117ページ
次へ
そしてメイクが始まった。 宮本さんはその細い指を使って、素早く滑らかに、そして丁寧に僕の顔を彩を描く。 「あんた、男の割にまつ毛長くね?」 「目もよく見たらでかいんじゃない?」 「唇カサカサかよ!きも!リップぬれ!」 「華奢な身体!貧弱くさい!まあ今は好都合だけど!」 問答無用ではっきり言う彼女に何も言い換えず、苦笑いしかできなかった。 それを藤咲くんは横でみて笑うが、だんだん僕の顔を凝視し始めた。 「宮本...お前すげえな」 「まあね」 最後の決め台詞とともに、唇にルージュを飾る。
/117ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加