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そしてメイクが始まった。
宮本さんはその細い指を使って、素早く滑らかに、そして丁寧に僕の顔を彩を描く。
「あんた、男の割にまつ毛長くね?」
「目もよく見たらでかいんじゃない?」
「唇カサカサかよ!きも!リップぬれ!」
「華奢な身体!貧弱くさい!まあ今は好都合だけど!」
問答無用ではっきり言う彼女に何も言い換えず、苦笑いしかできなかった。
それを藤咲くんは横でみて笑うが、だんだん僕の顔を凝視し始めた。
「宮本...お前すげえな」
「まあね」
最後の決め台詞とともに、唇にルージュを飾る。
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