Summer is coming

20/24
前へ
/117ページ
次へ
「はい」 ギラギラにデコレーションされたコンパクトミラーを渡させ、僕はゆっくり鏡を覗く。 そこには僕だけど、僕じゃないみたいだ。 ふんわりとした眉毛 赤みのあるブラウンの瞼 くるんとしたまつ毛 薄いピンクの頬 艶のある唇 色を加えるだけでこんなに変わるんだ。 僕の面影はあるが、女の子に見えた。 「す、すごい...」 「あんた、すごいよ。これ薄化粧よ。こんなんで女顔になれるって、もともと女顔よりなんだよ」 「え?そうなの?」 そんなこと初めて言われた。
/117ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加