Look at

4/5
前へ
/117ページ
次へ
「宮本さん、おはようございます」 「あ!あけみん先生!おはよーでーす!」 気まずい空間が彼女の登場で砕かれた。 兄さんは苦そうな顔から先生の顔に戻る。 「佐久間!あんたに見せたいものあるから早く教室行こ!」 宮本さんは僕の腕を兄さんとの逆方向に引っ張っていく。 そのまま僕は彼女に流されて、その場に背中を向ける。 この時兄さんはどんな顔をしているんだろう。 流されるまま、彼女に目を向け、手元に支援がいく。 今は彼女の荷物が気になる。 ポップな鼻歌を響かせながら、宮本さんは階段を登る。 「機嫌がいいね、宮本さん」 「だって、あんたを可愛くしてあげるのよ!楽しみに決まってんじゃない」 階段を上り切ったところで後ろにいる僕の方にくるっと回る。
/117ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加