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僕が11歳になった時、兄さんは結婚してマンションを出て行った。 出て行く前日、暁美家と水無瀬家と一緒にお祝いをした。 親たちと兄さんはお酒を飲んでずっと話して、僕はせれなちゃんとそのお兄ちゃん、日向くんとご飯食べたりジュースを飲んでテレビを見ていた。 久しぶりにお父さんが楽しそうにいるところを見て、僕はすごく嬉しかったけど、親たちに兄さんを取られた気分ですごくイライラしていた。 「藍ちゃん、氷菓くんと離れちゃうの寂しいね」 「藍ちゃんは本当に氷菓くんと兄弟みたいに仲良しだったもんなー」 せれなちゃんも日向くんも寂しそうだった。 その顔をみて僕のイライラは消えて、悲しくなり、泣き出してしまった。
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