beginning

18/20
前へ
/117ページ
次へ
このあとずっと兄さんの膝の上に座っていた。 それをみて妬いたのか、せれなちゃんも兄さんの膝の上に座ろうとし、僕らは片足ずつに座って過ごした。 「氷菓くん、それ、幸せだね」 「水無瀬さーん!俺こんなにせれなちゃんにも好かれて感激です!!」 「日向くんは人懐っこいけど、人見知りのせれなちゃんがこんなに懐くなんて、すごいね!氷菓くん」 「氷菓くん、なんなら俺の膝に座るー?」 「いやいや日向にはむりっしょー!俺を支えられないだろー」 兄さん達は楽しそうに話しているが、せれなちゃんはどこか寂しそうに見えた。 そしてせれなちゃんは兄さんの腕をギュッと抱く。 「せれなちゃん…ありがとうね」 兄さんも寂しそうな顔をする。 せれなちゃん、はやく兄さんから離れて。 このままじゃ、僕はせれなちゃんを嫌いになってしまう。
/117ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加