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「え?」 突然のことに、僕は全身の力が抜け、持っていた包丁を落とした。 「きゃ!藍九郎ちゃん!危ないじゃない!」 おばさんの小さい悲鳴に驚き、我に戻った。 「ごめん!びっくりして、手を滑らせた。ごめんなさい」 「そうなの、おばちゃんこそごめんね。驚かせちゃったね」 本当に驚いた。 僕はゆっくりと包丁を拾い上げ、洗う。 「ねえ、お兄ちゃん、、、兄さんがその学校に行くのって本当?」 もう15歳になってお兄ちゃんと呼ぶのが急に気恥ずかしく感じ、この瞬間から僕は兄さんと呼ぶようになった。 包丁を布巾で拭きながら、恐る恐る聞き直す。
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