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「藍九郎ちゃん、そんなに氷菓のこと、好きだったのね。おばちゃん本当に嬉しい」
「うん、引っ越してすぐにお母さんのことがあって、おばさんたちに家族のように接してくれたから、僕はみんなが揃うのがすごく嬉しいや」
これも本音の一つだった。
「僕には兄弟がいないから、兄さんと兄弟みたいになれて、すごく感謝しているんだ」
これも本音。
「藍九郎ちゃん…」
「本当に兄さんは、帰ってくるの?」
再度確認したかった。
「本当よ。だからここから通える海老名の高校を選んだのよ。1時間くらいだけどね」
本当に帰ってくる。
「兄さんはおばさんの家に戻ってくるの?それともこの線路沿いで新しく暮らすの?」
「もちろんここよ!一昨日戻ってくるって聞いて、昨日評価の部屋を掃除したのよ」
僕の隣に戻ってくる。
嬉しさの余り口元がゆるゆるになってきた。
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