It suddenly

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辞書の棚を見つけた。 そこにはひとりの男が立っていた。 背が高く、ふわふわな癖っ毛の髪。 シャツにスラックス姿。 夕日のオレンジ色と同じオーラを放つ人。 「にい、さん?」 その人は僕の方に目をやる。 「ああ、藍か」 兄さんが図書館にいるのは意外だったため、僕はかなり驚いている。 「兄さんも、図書館利用するんだ」 「意外か?」 ふっと笑う兄さん。そして僕の目の前まで近づいてきてくれた。 こうやって、2人きりになったのは、いつぶりだろう。
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