It suddenly

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「藍は、なんで図書館にいるの?何か探してるの?」 さっき僕には先生と呼べっていった矢先、僕はいつものように呼ぶ兄さん。 学校で2人きりじゃないときも、僕だけ名前で呼んでほしい。 「電子辞書が壊れたみたいだから、新しいものを買うまで紙の辞書を借りようかなって」 「そうだったんね。俺の昔使ってたやついる?古いけど使えると思う」 「え!ほしい!」 僕は即答だった。 兄さんの私物でしかも今僕が必要としている電子辞書をいただけるなんて、夢みたいだ。 「おっけー。今日の夜届け行く」 「いいよ!僕が取りに行くよ!!」 流石にそれは悪いから、僕は必死に答えた。 そのとき、兄さんの顔がぼくに近づいてきた。 「じゃあさ、メシおれんちで久しぶりに食いにこいよ」 耳元で周りに聞こえないように呟いた。 周りに誰もいないはずなのに。 僕たち2人の秘密の話をした。
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