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「いい感じに熟しているいちごのだな。朝もらっていいかい?」
「うん」
お父さんもベランダにきて、僕の育ててるハーブや果物を見る。
少し遅かったら今頃このハーブたちはぐちゃぐちゃになっていたんだろうか。
「藍九郎、元気がないみたいだが、何かあったのか?」
僕の顔をまっすぐ見るお父さんの視線には僕は何も隠すことはできないようだ。
「そんなことないよ」
「藍九郎がそうならいいんだ。今日早く目が覚めたからね、僕が今日朝食を用意するよ」
お父さんは僕に気遣う。
「お父さん、大丈夫だよ」
お父さんに朝食を作らせるわけにはいかない。
僕ら家族にはちゃんと役割があるのだから。
「大丈夫、僕にだって簡単な料理くらいできるよ」
「でも悪いよ」
「大丈夫さ、藍九郎は身支度してきなさい」
「お父さん!一緒にやろ!」
お父さんは簡単な料理はできると言っているが、クソ下手だ。
任せたくない。
こうゆうときこそ、察してほしい。
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