a long distance

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お父さんと食事を終え、片付けを済ませた午後9時、インターホンが鳴った。 だれだろうと、お父さんがドアビデオの前に立つ。 「おや、水無瀬さんのところのせれなちゃんだ」 なんでこんな時間にせれなちゃんが? お父さんがせっせと玄関に向かい、ドアを開けた。僕もお父さんの後ろを追う。 「やあ、せれなちゃん。こんばんわ」 「おじさん、こんばんわ」 パジャマ姿のせれなちゃんは、いつもより声も低く、なんだか機嫌が悪そうに見えた。 「せれなちゃん、どうしたの?」 僕もお父さんの背中からひょこっと顔を出し、いつもと違うせれなちゃんに問う。 「いま、うちで氷菓くんとお兄ちゃんとお父さんがが呑んでるの。おじさんも誘って来いって言われてきたの」
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