a long distance

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僕らはひたすらホラー映画を見た。 せれなちゃんはずっと前からホラー映画を見たかったようだが、ひとりでは見えないらしい。 しかし家族と一緒に見ようとしても、二人とも怖がって一緒に見てくれないようだ。 せれなちゃんの気持ちはわかる。 ホラーってみたいけど、ひとりじゃみれないよね。 うす暗い部屋の中、僕らは腕を組みながら、お互い身体を密着させながら、映画鑑賞をしていた。 ふいにせれなちゃんの髪からシャンプーのいい香りがする。 胸も常に当たっている。 結構育ってるな。 谷間も見えるし、たぶんブラジャーもしていない。 怖いシーンがあると、悲鳴を上げながら、全力で抱き着いてくる。 見たくないシーンがあれば、僕の腕の中にうずくまる。 いつもせれなちゃんのこと女の子だと思っていたが、このとき女に見えてすこしドキドキした。 きっとせれなちゃんはホラー映画を一緒に見て入れる人はだれでもよかったんだろう。 僕じゃなくとも、何も考えず、一緒にいる相手のことを気にせず体を密着させていたんだろう。 なんてあざとい女なんだ。
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