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午前2時を回るまで僕らはノンストップでホラー映画を見ていた。
次の映画を選んでいるとき、インターホンが鳴った。
お父さんか、水無瀬さん、日向くんのどちらかだろう。
せれなちゃんは僕のスウェットの裾をつかみ、僕は玄関のドアを開けた。
「お!やっぱりおきてたな、ふたりとも」
玄関にいたのは、兄さんだった。
「まだ吞んでるの、氷菓君」
「みんなまだまだのんでるよ~。あ、でも日向君はつぶれてたな」
せれなちゃんは眉間にしわを寄せ、あからさまに嫌な顔をする。
突然の兄さんを目の前に僕は声が出なかった。
「せれなちゃんどうする?もう2時過ぎてるけど、じぶんちに戻って寝るのか?」
「まだあそこで吞むんだよね?だったらここで寝る。いいよね、藍ちゃん?わたし夜トイレひとり怖いよ」
え?
トイレ付き添いしないといけないの?
「なに、俺お邪魔?」
兄さんがにまにましたやらしい顔をしながら、僕らを交互に見る。
「ち、ちがうよ!せれなちゃんとホラー映画見てたから」
僕は必死に否定した。
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