a long distance

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「女の子とホラー映画って、うらやましいな」 「兄さんホラーみたかったの?」 「ホラー大好き。俺ももっとはやくこっちくればよかった。そしたら昔みたいに藍とせれなちゃんにサンドされていたのに。ぐへへへへ」 変な声をだして、上機嫌そうに笑う兄さん。 お酒が入った兄さんはこんな感じなんだ。 「それにさ、藍はこんなにかわいい幼馴染の女の子がいて、うらやましいよ~」 「わたしと氷菓君も幼馴染じゃないの?」 そうだ、いまいるぼくらは幼馴染の分類に入る。 「そうだけど、俺は年の近い女の幼馴染にあこがれていたな~」 「氷菓君って何歳?」 今年38歳になるはずだ。 心の中でつぶやく。 「ないしょ~」 僕らと兄さんは22歳差だ。 実年齢より兄さんはもっと若く見えると思う。
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