a long distance

14/19
前へ
/117ページ
次へ
「眼鏡、かえして」 恐る恐るせれなちゃんをみると、いつも通りの反応だった。 兄さんにこんなことされたら、心臓が飛び出してもおかしくない。 僕だったら倒れてしまう自信がある。 それぐらい僕は兄さんが大好きなんだ。 だから、僕の目の前で女に触れている兄さんを見たくない。つらい。 せれなちゃんの言葉を無視し、兄さんがふざけてせれなちゃんの眼鏡をかけようとした。 「うわ!!きっつ!!!」 兄さんは反射して、眼鏡を顔から遠ざけた。 せれなちゃんは結構目が悪いと聞いていたから、兄さんの目に合わなかったんだろう。 「せれなちゃん、目わるすぎだろ」 ひきつった顔でいいながら、せれなちゃんに眼鏡を返した。
/117ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加