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「眼鏡、かえして」
恐る恐るせれなちゃんをみると、いつも通りの反応だった。
兄さんにこんなことされたら、心臓が飛び出してもおかしくない。
僕だったら倒れてしまう自信がある。
それぐらい僕は兄さんが大好きなんだ。
だから、僕の目の前で女に触れている兄さんを見たくない。つらい。
せれなちゃんの言葉を無視し、兄さんがふざけてせれなちゃんの眼鏡をかけようとした。
「うわ!!きっつ!!!」
兄さんは反射して、眼鏡を顔から遠ざけた。
せれなちゃんは結構目が悪いと聞いていたから、兄さんの目に合わなかったんだろう。
「せれなちゃん、目わるすぎだろ」
ひきつった顔でいいながら、せれなちゃんに眼鏡を返した。
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