a long distance

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「ふあああ、わたし眠くなったから寝る」 大きなあくびをしながら、せれなちゃんはうとうとしはじめた。 「えー藍も寝るの?」 急にふられ、どきっと驚いた。 一緒に映画を見たい。 「え!藍ちゃんもねるよね?私一人で寝れないよ」 天秤にかけられて兄さんを優先したいが、せれなちゃんがかわいそうだ。 それに、兄さんと2人きりになれるのはうれしいけど、気まずくてしんどそうだ。 「兄さん、僕もそろそろ寝るよ」 「そう、またまた残念」 「じゃあ氷菓君、わたしは藍ちゃんちに泊まるから、おやすみなさい」 「はいはい、お子様カップルはおねむですね」 そして兄さんは僕の肩をポンポンと叩いて、玄関から出て行った。
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