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迎えを待っている間、日向くんからデリカシーのないメッセージがしつこくきて、クソ迷惑だった。
予定時刻より15分も早くせれなちゃんのお父さんが車で迎えに来てくれて、僕らはマンションへと向かう。
帰り道、おじさんは僕らに謝ってばっかりだった。
僕はおじさんたちに特に迷惑をかけられたとはおもっていないが、せれなちゃんは違う。
「うん」
「もう気にしてない」
この2点張り。
さらに嫌な思い出を掘り返したせいか、さっきまであった笑顔はなくなってしまった。
おじさんも、フロントミラーで目が合うほど、せれなちゃんの顔色を鏡越しでうかがう。
この気まずい密室空間は、ムードメーカーの日向君がいなとしんどいな。
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