Summer is coming

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しかし、いざ授業となると、話せなくなる。 僕は多種多様な発言する生徒の分類ではない。 黒板の前に立つ兄さんを眺めるだけだ。 以前に比べ、目が合う回数が減ったと感じる。 今日こそ手を挙げて発言しようと試みるが、ダメだった。 予冷が鳴り、そのままあっけなく授業が終わる。 何か期待してもいつもみたいにこうなるってわかっていた。 いつも無駄な期待を抱き、ネガティブになるのが僕の悪い癖だ。 「じゃあ、また明日な。みなさん」 教室から出ていこうとする兄さんを目で追う。 そして、教室から数人の女が兄さんの後を追いかけて行った。 きっと廊下ですこし話そうとするんだろう。 おまえらみたいなメスガキには、どうやっても兄さんが振り向くわけないだろ。 無駄だからさっさと教室に戻ってこい。
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