36人が本棚に入れています
本棚に追加
次の日。朝目覚めると、何かがおかしかった。ママは隣にいる。眠っている。だけど、ママの吐息が聞こえない。疲れ切って深く眠っているのか?そしたら、起こしたら悪い。
私はそっと起き上がった。ふとママの肌に触れた。
そして、驚いた。
夜眠った時とは逆に、その皮膚が冷たかったからだ。
ママ、寒いのかな。
そう思って、私は掛け布団をママにしっかり掛けた。
起き上がってリビングに行くと、パパが座っていた。椅子に腰掛け、下を見ているその横顔は、まさに疲れ切った表情だった。テーブルにはお酒が置いてあった。
「パパおはよう。ママまだ寝てるから、私朝つくるね。」
ママを起こさないように小声でいって台所に向かうと、パパが私の名前を呼んだ。私は振り返って、
「何?」
という。パパは何もいわない。空耳かなと思って朝ご飯の準備に取りかかろうとした時、今度は思いもよらない言葉が聞こえた。
最初のコメントを投稿しよう!