36人が本棚に入れています
本棚に追加
「ママ、死んじゃったんだよ。」
私はまたパパを見る。パパは私を見ず、俯いたままそういった。
「ママは眠ってるんじゃなくて死んじゃったんだ。」
「...何いってるのパパ。ママは生きてるよ。パパ大丈夫?すっごく疲れてるみたいだけど。」
「パパのせいなんだ。」
「...え?」
「パパがいけないことをしようとしたって、ママにいっちゃったから、ママがショックで早く死んじゃった。きっとそうだ。パパがママを殺したんだ。」
「ねえ、大丈夫?」
「嘘じゃない。ママはもういないんだ。」
「ママはいるよ。ベッドに寝てるよ。ねえパパ、しっかりしてよ。」
私はその肩に手を置いた。パパは震えていた。
「震えてる、寒いの?」
「パパがママを殺した。」
パパはそれをぶつぶついっていた。今のパパは、パパじゃないみたいだった。私はその震える肩を抱きしめようとした。
するとパパはそれを拒んだ。
パパにハグを拒まれた。
最初のコメントを投稿しよう!