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パパは自分がしたことに気づき、うろたえていた。
「ぱ、パパはおまえを抱きしめる権利なんかないんだ。」
「何ってるの、パパはパパでしょ?」
「違うんだ、パパはおまえを...」
そこから先をいわなかった。私は唾を飲んだ。
もしかして...
いや、でもいい。
パパは私のパパだから。
何があってっも。
「大丈夫だから。パパはパパだよ。何があっても。」
すると、そのくすんだ暗い目が、私を見た。
「...どうしてそういえるんだ?」
「どうしてって...」
「パパはおまえを売ろうとしたんだぞ?」
初めてパパからその言葉を聞いた。
本当だったんだ。
「でも、、何か訳があったんでしょ?仕方なかったんでしょ?」
「俺の借金のためにおまえを売ろうとしたんだよ、俺は!!!」
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