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その後サガの家に連れて行かれた。蹴られた痛みはもうない。それよりサガのパパが心配だった。
「ごめんなさい。」
「何で謝るのさ。ユナちゃんは何も悪くないんだから。」
「でも...」
「でもはなしだよ。ユナちゃんが謝ることは何もないよ。」
私は黙った。パパのことをいっていたけど、嘘に決まってる。パパはお仕事中だ。あんなやつの相手なんかするはずない。
「ユナちゃん。」
サガのママが長椅子に座る私の前に来て、しゃがんで私を見ていった。
「今日あの男がいってたことは嘘だから。お金を作るための嘘だからね。ユナちゃんは気にしなくていいの。大丈夫だから。」
私は頷く。
「私もそう思ったの。あの人おかしなことばっかり。パパはお仕事してるのに。あんなやつの相手なんかしてる時間なんかないよ。」
そういうとサガのママは笑った。
「でもね、一つだけ気になるの。あいつ、私の名前知ってたの。私あいつに会ったことないと思うんだけど。」
するとサガのママは笑顔を消した。
「適当にいったのかな?」
「そうよ..そうだわ。怖いわね、当てられて。」
再び浮かんだ笑みを見て、私もほっとした。
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