1.終わりと始まり

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 その後サガの家に連れて行かれた。蹴られた痛みはもうない。それよりサガのパパが心配だった。 「ごめんなさい。」 「何で謝るのさ。ユナちゃんは何も悪くないんだから。」 「でも...」 「でもはなしだよ。ユナちゃんが謝ることは何もないよ。」 私は黙った。パパのことをいっていたけど、嘘に決まってる。パパはお仕事中だ。あんなやつの相手なんかするはずない。 「ユナちゃん。」 サガのママが長椅子に座る私の前に来て、しゃがんで私を見ていった。 「今日あの男がいってたことは嘘だから。お金を作るための嘘だからね。ユナちゃんは気にしなくていいの。大丈夫だから。」 私は頷く。 「私もそう思ったの。あの人おかしなことばっかり。パパはお仕事してるのに。あんなやつの相手なんかしてる時間なんかないよ。」 そういうとサガのママは笑った。 「でもね、一つだけ気になるの。あいつ、私の名前知ってたの。私あいつに会ったことないと思うんだけど。」 するとサガのママは笑顔を消した。 「適当にいったのかな?」 「そうよ..そうだわ。怖いわね、当てられて。」 再び浮かんだ笑みを見て、私もほっとした。
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