1.終わりと始まり

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今日もパパは帰りが遅かった。次の日の朝も早かった。だから私はパパに会っていない。パパの温もりを確かめたかったのに。 今日は何だか曇っていた。  その日ママはいつもより元気だった。ちゃんと起きれて、ちゃんと家の仕事ができた。久しぶりに一緒に買い物に行った気がした。近所に人にも、元気になったんですねと声をかけられていた。ママがよくなったと、私は嬉しくなった。  お昼ご飯前にママがいった。 「ねえ、今日はお外で食べない?」 それを聞いて私は本当に嬉しかった。ママが元気になった。今日はパパはいないけど、また近い日に3人で遠くに行けると思った。 ママとサンドイッチを作って出掛けた。私ははしゃいだ。ママはそんな私を見て呆れていた。 曇っているから、かんかん照りより気温が低くて、涼しくて丁度よかった。 少し行った所に、草原みたいな場所があって、そこに生えている木の下でお昼を食べた。 「美味しい?」 いつものようにママが聞いた。私はいつもより大きな声で 「美味しい!」 と答えた。 「そう、よかった。」 ママも嬉しそうだ。 「お外で食べるのって美味しいね、今度はパパも一緒に来ようよ!」 ママにいうとママはなぜか頷かず、ただ微笑んだだけだった。 「ママが元気になってほんとにユナ、嬉しい!」 ママは依然として微笑んでいるだけだった。  
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