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1.終わりと始まり
ここはヴァルテナにある小さな家。朝になったらお日様の光が家の中に入ってきて、私たちを起こす。パパは仕事に行く準備をしなくちゃいけなくて、ママはパパが仕事に行く前に朝ご飯の準備をする。
「ユナ。朝だよ。」
朝ご飯の支度をしているママの代わりに、パパが毎朝起こしてくれる。でも私はまだ眠くて、しばらくベッドでぐだぐだしている。最後にはパパが私を持ち上げて、朝ご飯のある所まで連れて行くことも。
「ほらユナ。おいしそうだぞ?ママの作った朝ご飯。」
目をこすり、無理矢理起こされたことに少しふてくされながらも、用意された朝食を見て私も少し機嫌が直る。ママは本当に料理が上手だ。私もママみたいになりたい。いただきますをいって、まずは目玉焼きにフォークを刺した。まだとろとろの黄身が流れ出して白を染めていく。
「おいしい?」
ママが聞く。私は頷いた。
「まだ眠いんだな。」
パパが笑いながらいう。
「そうねえ。でもねユナ。毎日早寝早起きして、ちゃんとご飯を食べて健康にならなきゃ、パパみたいに強くなれないのよ?」
「ママみたいに美人にもなれないぞ?」
「あらやだ。」
ママは照れて笑った。つられてパパも笑う。だから私も笑った。
「ユナもパパみたいに強くてママみたいに美人になりたい。」
私が言うとパパは
「おお、そうだな。なれるよ。ちゃんと健康的な生活をしてたらね。」
といった。私は元気に頷いた。
今日もパパを見送ってからママのお手伝いをした。パパは少し離れたところでお仕事をしている。パパが帰ってくるまでは、掃除したり洗濯したりで大忙し。お昼ご飯はいつもママと食べる。
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