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ピカピカに磨かれた
白蘭はロックをピカピカに磨き上げた。
食べるのを我慢して。
白蘭はロックの髭も剃ってツルツルにした。
齧るのも我慢して。
駄目だとは言ったが、ギフトは白蘭がこの男を食べた所で、
『そう、仕方ないね』
と言って済ますと知っているけれど、ギフトは目的があってこの男を利用したいと言っていた。
ギフトがしたい事を白蘭は邪魔したくない。
「貴方に合う服を用意致しますので、それまで、湯船に浸かっていてください」
壁に設置されたオイルタイマーをひっくり返す。
「これが落ちきる頃に戻ってきます。ぬるい湯なので、このくらいで逆上せる事は無いでしょう。ガチガチの身体もきっとほぐれます」
まるで獲物が捕食者を前にして、緊張しているかの様に力が入りまくりのロックの身体は、促されるままに湯船に沈んだ。
「大人しくしてくださって助かりました。お陰様で、ギフト様にもご満足頂ける綺麗な仕上がりに出来たと思います。入浴剤として使用しているハーブですが、芯から温め、肌を艶やかにし、何よりも素晴らしい効能として、肉の臭みを消すのですよ。とても効果が高く、私も愛用しております」
「…愛用って…食材に?」
ロックの問いかけに、白蘭はきょとんとした表情をし、
「いえ、私はいただくなら、肉に多少臭みがあった方が口に合いますし、調理されてないものを丸齧りにするのを好みますので、こういった下処理はした事無いです」
と、答えて服を用意しに出て行った。
ロックはやっと身体中から力を抜き、ゆったりと湯船に浸かる事が出来た。
「はあー…これからは毎日、なるべく、朝晩と風呂に浸かろ」
だいぶ贅沢な決意を口にした。
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