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「うん。どうして?」
「いえ……大丈夫なら、よかったです」
私達の関係について、それとなく聞いてみようか?
両想いなのか、片思いなのか、約束なんていらないから、ただ、お日様の下で真さんの本当の気持ちを聞きたい。
でも、もしもそれで今の関係が壊れてしまったら、私は絶対に訊いたことを後悔する。
真さんが氷たっぷりのお冷を一口飲んだ。カラン、って氷の音がした。
「ところで、あのスタッフは知り合い?」
「あ、そうなんです。前に婚活パーティー……で……」
言った途端、顔の熱が引いていった。
貴仁との婚約問題を抱えていたと思われている私がこれを言うべきじゃなかった、なんて後悔してももう遅かった。口から滑り出てしまった。
「婚活?」
「……」
気まずくなって、真さんの顔は見ずにうなずいて、今度は私がお水を飲んだ。
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