8 弱さも

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 休憩室で休ませてもらい少し回復した私は、迎えにきてくれた葵さんに手を引かれ車まで行くと、後部座席に横になった。 「美子ちゃん、病院行く? てか待って今、真に連絡」 「あっ! それはっ……真さんには、言わないでください。お仕事中だし、心配かけたら申し訳ないので」 「いや、でも……」 トイレで嘔吐したあと貧血をおこして立てなくなった私は、店員さんから迎えを呼ぶように言われ、咄嗟に葵さんを頼ってしまった。 「ごめんなさい。葵さんだって忙しいのに。病院も大丈夫です。食べすぎちゃって」 「俺は構わないけど……」 ならとりあえず帰るよ? と言われ、咄嗟に待ってと引き止めた。 「体調悪い?」 エンジンがかかり、流行りのメロウな歌が流れ出した。
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