2人が本棚に入れています
本棚に追加
「じゃ、ここでサヨナラだ」
「いってらっしゃい。あんま無理はしないように」
「さて、集中すると食事も忘れるからなあ」
気になるセリフを吐いて、ニレは隣のレーンに移ってしまった。あっという間に引き離されてニレの姿が見えなくなる。
「……全く、さわがしいたらありゃしない」
なんか、目が冴えちゃったよ。そんな独り言も、なんだか虚しい。
一人になり、急に静かになってしまった。今から寝に行くので静かな方がちょうどいいのだが、さっきの話で興奮してしまった自分がいる。
「……仕方ない、ニレの世界のことでも考えていようかね」
いや、『ちきゅう』だったっけ。
思考を巡らすために目を閉じ、ゆっくりと横になる。
そして。
「まずは、どんな字にすることから、かな」
昼と夜の間で、カヒが言った。
ーー 完 ーー
最初のコメントを投稿しよう!