ワン・サマー・ガール 〜ドブ子さんがドブにハマっていた理由〜

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 昨日のことを考えていたら、パスを受け取り損ねて顔でボールを受けてしまった。うちはそこそこ強豪なので、ほんの一瞬のミスが命取りとなる。  硬いバスケットボールと正面衝突をし、俺は頭を押さえた。 「俊介、なにやってんだ!」 「すみません!」  コーチの怒声に謝って、俺はすぐにコートに向き直った。身長で負けている分、他の人間より頭と足を使わないと周りについていけないし、余計なことを考えている時間などない。  いつも俺は最後まで残って練習していた。今日ももちろん残って練習していたのだが…… 「あ、いたいた」  振り向くと、昨日の彼女が入り口からこちらを覗いていた。 「バスケやってるのはバッグでわかったから直接きちゃった。夏休みなのにずいぶん遅くまで練習してるんだね!」 「あ、昨日の……」  今日はTシャツにホットパンツとスポーティーな格好をしている彼女は、ニコリと笑って手を振った。わざわざお礼をしに来てくれたようだ。
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