ワン・サマー・ガール 〜ドブ子さんがドブにハマっていた理由〜

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(いやいや、なにを悩んでるんだ! まだ高二じゃないか! これからあま〜い青春が待ってるに決まってる! 大の男がこんなみっともない……)  ……なんて言い聞かせていたが、あっさり理性は崩壊した。パクリ。 「おいしい?」 「う、うん……」  俺はちっぽけなプライドにさよならを告げた。話しているとお互い映画好きなことがわかり、流れで映画館にいくことになった。  ただ、俺も男だ。向こうのペースに乗せられっぱなしでは気分が良くない。ここいらでいいところを見せようとホラーを選んだのだが、それが失敗だった。……どうもB級映画だったらしい。  やたらアダルトなシーンや裸が出てきて俺は気まずくて仕方なかった。彼女もきっと気分を害しているに違いないと横目で盗み見たが、 「……」  大人のドブ子さんはしっかりと見ていた。俺はなんだか負けた気がした。 「あー、おもしろかった! 高校生には少し刺激が強かったかな?」 「別にたいしたことないし」  R18にしろと心の中でクレームをつけつつ、俺は強がった。  散々なところもあったが初デートはなんだかんだ楽しく、そのまま次回の約束もした。
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