0人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
──産まれたときから、恐怖と共に生きてきた──
アキには魅力があった。
涼しげな目元、陶器のように滑らかな肌、濡れ羽色の長い髪。そして時折見せる切なげな表情がいっそうセクシーで、そんな彼女の恋人になれた僕は最初、嬉しくて舞い上がっていた。
けれど、同じ部屋に住むようになってからは、あの美しいともいえる彼女の冷たさが、何故だか最近恐ろしい。
恋人同士なのだから、もちろん僕のことを愛してくれているだろうけど。もともと表情の読めないタイプだし、今まで付き合ってきた男の人数も多いと聞く。
もしかすると、僕を歴代の彼氏たちと比べて、呆れていたりするのだろうか。
最初のコメントを投稿しよう!