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かくしごとはナシにしようって言ったのに。
彼女は別の男と同棲していた。
それだけ魅力的なのかと思い、俺はその男を調べた。
すると、なんということだ。
ヤツは夜になると狼に変身する。
人狼という化け物に。
このままでは彼女はヤツに襲われてしまう。
それとも、すでに手遅れか?
いや、あきらめたら終わりだ。
二人が帰宅したところを狙いすまし、俺は踏み込んだ。
当然、二人とも俺を見たまま固まった。
「そいつから離れろ! そいつは狼なんだ!!」
俺は必死で彼女に言った。
首をかしげる彼女。
いまいちピンときてないようだ。
「そいつは狼に変身するんだ!」
俺はもう一度言った。
「それがふつうでしょ?」
「ふつうじゃねーよ!」
「あんたはならないの?」
「なってたまるか!」
不思議そうに聞く彼女に、俺は吐き捨てる。
「じゃあ遠慮してね」
彼女は困ったように微笑み、俺を外に押し出した。
え、いや、あれ?
なぜ!?
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