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その時突風が吹いた。
突風に吹かれた彼の体は大きく煽られた。
進行方向を変えられた彼の体は、地面にたたきつけられず、そばにあった街路樹に斜めから突っ込んだ。
突如かけられた負荷により大きくしなった街路樹は、折れる寸前彼の体を弾き飛ばした。
弧を描き、再び飛ぶ青年。
弾き飛ばされた先には、一軒のジェラートショップがあった。
店先のアイスケースの中には、色とりどりのジェラートが入ったケースが並び、人々が行列を作っている。
その行列を飛び越し、青年の体は勢いよくアイスケースにぶち当たった。
衝撃でアイスケースのガラスは破れ、青年の体はジェラートの真っただ中に突っ込んだ。
阿鼻叫喚の地獄絵図。
たちまち辺りはパニックに陥った。
ところで、青年の顔面はちょうどバニラ味のジェラートのところに突っ込んでいた。
しかし、残念ながらケースにぶち当たった時に彼の顔はすっかり潰れていたし、そもそもその前に絶命していたので結局アイスは食べられなかった。
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