今夜、あの子と

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隠し通さなければ ならないことがある。 あの子の秘密を知ってしまった。 学校の中では優等生。 誰にでも、優しくて、献身的、 ちょっとした風邪で休んだ時も クラスの人間には、 お見舞いのメールを出したりしている。 しかも、文面は短く、 でも、テンプレにならず、 返事はいらないとまで、 そつなく書く。  それが、してほしくて、 ずる休みをする男子生徒がいるくらいだ。 見た目は、周りの友だとはみんな髪を染める中 一人だけ、黒い髪で、逆に目立っていた。 日本のお姫様をほうふつとさせる顔をした高2の女の子。 その子が、夜の学校でしていたことは 誰にも話してはいけない。 見つけたのは偶然だった。 夜の夜食にコンビニのおでんを食べようと 半年前に12月も押しせまった時期に 学校の近くを通りかかった。 周りを気にするように歩く 黒っぽい影をしていたが、 黒い髪をしばるリボンに見覚えがあった。 左右の大きさが違っているリボン。 デザインだと言っていたが 人によっては失敗したアウトレット じゃないかと言っていた。 男のオレからでは 真偽はわからないが、 とにかく、 その特徴的なリボンで、 クラスの優等生 黒森 星羅(くろもり せいら)だと わかった。  オレ(白木 海斗(しろき かいと))は興味を持った、  と同時に、こんな夜遅い時間(12時ちかい)に なぜ、大きなカバンを抱えるように 学校に向かっているのか 気になって後をつけることにした。
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