First Generation

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 こうして功績が認められ、優れた伴侶・ユイを与えられて、私は、この国の一般人が望むべくもないほどの豊かな生活を享受しつつ、さらに研究を進めていった。 「あなたも子どもを持たれては? きっとあなたのように優秀な頭脳を持った子どもが生まれて、“祖国”のためさらに役に立ってくれるでしょうね」  自分の子ども。持ってみたい。“祖国”の役に立ちたい。けど、もしも容姿が私に似た子だったら、どうしよう?  でもある日、決意した。魔法を使おう、私は使える、秘密の魔法を。     *** 「おめでとうございます! 可愛い女の子!」 「ありがとう。トンビが鷹を産んだのかしら? 容姿なんかより、頭の良い子だとよいのですけれど。そうでなければ、“祖国”のお役に立てませんからね」  そんなことを言いながらも、私は内心、嬉しくてしかたがなかった。そう、我が子、ミルカは、とても可愛かった。親の欲目ではない。パッチリと大きな二重の瞳、長いまつ毛に、通った鼻筋。…この子が、私の勝手で遺伝子をいじったデザインベビーであることは、誰にも言えない。  ナイショ、内緒の隠しごと―。
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