Second Generation

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 あれから、5年が経つ。あのとき、私のためにあんな危険を冒してくれた人々のため、私はこの組織の一員となり一生懸命に働いてきた。…お父さんとお母さんには、まだ会えない。おそらく、2人には“祖国”の監視の目が、今も光っているから。たとえネットでも、接触は危険だから。  だけど、私が無事でいることだけでも、何とか伝えられないだろうか。両親からもらった御守りを見つめながら考える。この御守りは、3人お揃いのもの。私のにはお父さんとお母さんの、お父さんとお母さんのには私の、髪の毛が入っている。  見つめるうち、不意にある考えが頭に浮かんだ。  私は存在してはならない、イリーガルなデザインベビー。でも、100%改変されたわけじゃない。もしかしたら、元々あった遺伝子が発現したら―。
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