Third Generation

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Third Generation

 私のお母さんは、何でも完璧にこなすスーパーウーマン。ばりばりの研究者で、若々しく美人でスタイルもいい。こういう人っているのよね―。  私は、似ても似つかぬ容姿にスタイル(まだ5歳だけど、何となく将来図が予測がつく)、どんくさくて不器用で。本当にあのお母さんの娘なの? と言われることもある。取り違えられたんじゃない? と。失礼しちゃう。だけど私自身、ちょっとそう思うこともあった。泣きながら、私は、本当はお母さんの子どもじゃないんじゃない? 本当はどこの子? って聞いたこともある。そしたら、すごい剣幕で言われたの。 「バカ言わないで! あなたは私の、自慢の娘! 可愛い、大事な子!」  見た目なんかにこだわるな、と。でも、ときどきこっそり想像してみる、どんな人生だったかしら、もしもお母さんみたいな美人だったら?  いろいろダメダメな私だけど、頭はかなりいい。ここだけは、お母さんに似たのだと思う。それとね、私とお母さん、耳の形はそっくりなの。ここは遺伝が根強く現れるって言われているらしいから、この耳の形は、大切な、2人のきずなの証。
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