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闇クエスト・ガイドから命を狙われているので、X君は本名の江藤 根角ではなく、X君としてかぶり物をした生活を余儀なくされているのだ。
そんな闇クエスト・ガイド達だが、国の取締まりも強化され、今は数を減らしているという。
いくつかのトップ闇クエスト・ガイドオフィスがしぶとく生き残っているが、【クエスト・ガイドオフィス】の発展に反比例するかのように縮小傾向にあるという。
だが、イタチの最後っ屁じゃないが、完全に壊滅する前に、何らかの動きがあるのでは無いかという噂があった。
国としてはΩランクモンスター討伐の大事な時期に【闇クエスト・ガイドオフィス】の余計な邪魔はなんとしても避けたい所だった。
なので、大規模冒険に出ない勇者達などを中心に自警団が組織され、目を光らせているという。
X君がマスクを取れる日が近づくのは近いかも知れないが、まだまだ油断は出来ないと言えるのだった。
卯月達は、てくてくと歩き進め、海底トンネルの前までやって来た。
まだ、安全な時代に掘られたとされるトンネルは高さ10メートル、幅18メートルの巨大なトンネルだ。
このトンネルが1.5キロほど続き、その先に目的の【海底神殿デルタ】があるとされている。
神殿の規模としては【海底神殿】の中では最も小規模であり、陸地からの距離も一番近い。
【デルタ】と呼ばれているので、4番目に見つかったのだが、距離的には1番目としても良い場所だった。
小さすぎたために逆に見つからなかったのだ。
【海底神殿デルタ】の大きさは半径550メートルほどの小さな円上の【海底神殿】なのだ。
直径で見ても1キロちょっとしかないのだ。
広い海の中のたった1キロちょっとの場所はなかなか見つからないのだ。
科学が進歩して、海底を探る設備が整い、装備の精度が上がったので、見つかった場所でもある。
そして、陸地に近い事から、【海底神殿】の中で唯一、【海底トンネル】を掘られて、歩いていける【海底神殿】となったのだ。
ただし、1.5キロの海底トンネルの中はモンスターが居るとされている。
レア・モンスター保護の観点から、そこに居るモンスターは倒せないと言う事になっているので、モンスターを避けて通過しなければならない。
よく使われる手法が、囮を用意して、それに気を取られている間に横をすり抜けるという方法だ。
とは言え、幅は18メートルしか無いトンネルの中なので、一瞬たりとも気は抜けないし、一気に駆け抜けないと行けない。
幸いというかなんというか、動きが鈍重なモンスターばかりなので、トンネルの端っこの方に、囮を置いたら、駆け抜ける事が出来るだろうという事だ。
通り過ぎてからX君は、
「ちなみに、人について行った、
人に移動させられたモンスターは【人移動モンスター】や【人移動レア・モンスター】と呼ばれます。
食用になれば【食用モンスター】など、そのモンスターの立ち位置等によって、呼び方が変わったりもします。
クエスト・ガイドとして案内するのに必要な知識の一つですね。
まぁ、クエスト・ガイドならば当たり前の知識でしたね」
と言った。
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