第12話 九歴 師走

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 この10チームにそれぞれ、量産型の人造クエスト・ガイドをつけて、試験的に、冒険に出して見ようという計画があった。  冒険者が人間以外。  クエスト・ガイドも人間以外。  生身の人間が全く居ないパーティー――  それが上手く行けば、安全に、危険なモンスターを排除させる事が可能となるかも知れない冒険となるだろう。  それとは別に特別な処理をした2タイプの【マシン・ブリガード】も作っているという。  特別な処理をした2タイプは、  【万能タイプ】と  【トリッキータイプ】の二種類となる。  【万能タイプ】は、11タイプの【マシン・ブリガード】の良い所だけを集めて作ったタイプである。  【トリッキータイプ】は特殊な動きに特化させたタイプの【マシン・ブリガード】だという。  この【万能タイプ】と【トリッキータイプ】は3機ずつ作られていて、その6体と勇者達の中から特に優れた10名の勇者達を集めて、それを【如月天狗】に冒険案内をさせて、 【大規模な冒険】をする計画があるのだ。  【Ωランククラッシャー弾】も1000発以上装備して、Ωランクモンスターの掃討作戦を行おうという計画なのだ。  現在の所、確認されているΩランクモンスターの数は、世界中で45体と言われている。  割り振りは、Ω1ランクモンスターが23体、  Ω2ランクモンスターが14体、  Ω3ランクモンスターが8体とされている。  この冒険の成功、失敗は【Ωランククラッシャー弾】の命中度にかかっていると言えるだろう。  Ωランクモンスターを3ランク、降格させなければ、如何に――この最強チームと言えども、Ωランクモンスターを全滅させる事など出来はしないだろう。  【万能タイプ】の【マシン・ブリガード】を【スナイパータイプ】の特性の部分を強化させて、超々遠距離射撃でΩランクモンスターにヒットさせる。  それで、一気に間合いをつめて、Ωランクモンスターを倒すという方法を取るしか無いのだ。  45体全てにその方法が成功する事はまずあり得ないので、今回の冒険でどれだけ、Ωランクモンスターの数を減らせるかで、第二弾、第三弾の大規模冒険の計画も考えられる様になる。  この大規模冒険は4ヶ月の冒険となる。  一度、冒険に出てしまえば、緊急事態でも無い限り、しばらくは帰って来れないのだ。  そうなると如月ともしばらくお別れとなってしまうだろう。  この大規模冒険も含めて師走が中心となり、大きな動きが冒険業界(冒険者、クエスト・ガイド等)で始まろうとしていた。
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