第12話 九歴 師走

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 卯月は、 「ちょ……、  ちょちょちょ、  ちょっと待って、うちとしても寝耳に水状態で、まだ社員に説明してないから1週間くらい時間ちょうだい。  その後、こっちから連絡するから」  と言ってひとまず皐月と水無月には帰ってもらった。  二人が帰った後、卯月は、 「ど、どうしよう  ……聞いてなかったわ、こんな話……」  とつぶやくと、後ろから、X君が、 「僕は良いと思いますよ。  良い提案だと思います」  と話しかけた。  卯月は、 「うわぁっ、  居たの、X君……」  と言った。  X君は、 「すみません。  会話、聞こえちゃいました。  社長。  考えて見てください。  人造クエスト・ガイドも規模が大きくなれば、受け入れる事も検討出来るし、最終的に姉妹が揃って同じ会社なら、僕としても安心ですしね。  検討する余地はあると思いますけどね」  と答えた。  卯月は、 「だけど、大変な事だよ、【合併】って。  そんなに簡単にはいかないよ。  そんな急に……」  と不安を吐露した。  X君は、 「その事も含めて社員全員で話し合いましょう。  まだ、一週間ありますからね。  社長は反対なんですか?  それは一番偉い立場で無くなるからですか?  そうじゃないでしょ?  社長はこれまでもそんな事気にして無かった。  社員とのびのびとやっていた。  気にしているのは、むしろ、自由にやれなくなるかも知れないと言う事ですかね?  でも、大丈夫だと思いますよ。  合併しても社長は社長です。  自由にやったら良いじゃないですか。  あ、でも、合併したら社長と呼べなくなるかも知れませんね。  そうしたら、なんて呼びましょうかね?  【卯月さん】って事になるんですかね?」  と言った。
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