第12話 九歴 師走

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004 【卯月クエスト・オフィス】としての最後の冒険案内へ  卯月が皐月と水無月と会った翌日、如月は大規模冒険に出ることになった。  それに準ずる感じで、業界最大手企業となった【睦月・弥生クエスト・ガード】からも精鋭を集めて、優秀な勇者達と共に、如月達のパーティーが取りこぼしたΩランクモンスターを【Ωランククラッシャー弾】を使って倒すという事になっている。  如月のパーティーには1250発の【Ωランククラッシャー弾】が用意されている。  睦月と弥生の混合パーティーにはこれ以上の取りこぼしが無いように2300発の【Ωランククラッシャー弾】が用意されているという。  何が何でも今回の大規模冒険で、Ωランクを一掃させるという狙いがあるため、国の方もコストを気にせず、高価な【Ωランククラッシャー弾】を用意させている。  また、師走の【九歴技研】では、【Ωランククラッシャー弾】の低コスト化を見据えた研究が引き続き行われているという。  国の総力をあげて、Ωランクモンスター退治を行う考えだ。  この大規模作戦の成否で、今後の冒険者やクエスト・ガイド達の士気にも関わって来ることになるだろう。  卯月の姉達はこれからの目標を定め、行動していた。  妹達も卯月の会社との【合併】に向けて色々と動いていた。  【卯月クエスト・オフィス】としては、三社【合併】に動く前の三ヶ月間をこの会社名での最後の仕事として、考えるようになっていた。  【卯月クエスト・オフィス】の事務の一人、皆川(みながわ) 彰人(あきと)がクエスト・ガイドとなるべき試験を受ける事になるので事務も一人減る事になる。  彰人は、子供の体だが、中味がエンシェント・ドラゴンだという特殊な存在だ。  そんな彼も成長し、いよいよ、クエスト・ガイドとしてやっていこうという時期が来たのだ。  クエスト・ガイドの試験は非情に難しい事でも有名だ。  なので、彰人は試験勉強にかかりきりで事務の仕事は出来なくなるため、仕事は休業する事になる。  彰人は、【うさみクエスト・オフィス】になってから、クエスト・ガイドとして、再雇用する事になっている。  今は試験対策に集中してもらっている。  クエスト・ガイドの試験に落ちたらまた、事務としてやっていく事になるが、エンシェント・ドラゴンの知識を持っている彼ならば合格は間違いないだろう。  そのため、事務は三人体制となるのだが、【卯月クエスト・オフィス】としては新たに雇う事はしない。  【うさみクエスト・オフィス】になってからの再編成をする事になる。  それまでは、事務は三人で回して行く事になる。
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