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バレンタイン
「バレンタインは女の子から告白する日なの」
今回は『郡家で』と開催した“女子会”
「私も」と渋った飛鳥さんをやんわりと断ってソファに座った五人
戌の日を過ぎたのにちっとも大きくならないお腹を心配している私と違って
ふっくら丸くなったお腹で参加のまるちぃと
レシピ本とアプリを睨めっこしている
琴ちゃんと優羽ちゃんと瑛美ちゃん
今回の女子会は女の子達の一大イベントの為の作戦会議になった
「何を作る?」
ティーカップを用意しながら
皆んなの手元を覗き込む
「チョコレートって意外に難しいのよ」
そう言ったまるちぃは
大吾さんという助っ人と作ると
上級者用のレシピを見ていて
敵わないと諦めた四人は
[簡単][時短][失敗なし]
なんてうたい文句のレシピを探している
まとまらない話に脱線するお喋りで
どんどん時間が経った
「あの・・・ね」
突然意を決したように立ち上がった琴ちゃんは
「バレンタインはチョコと私に決めたの」
爆弾を投下した
「「「「・・・っ」」」」
ほんのり頬を染めた可愛らしい琴ちゃんも
その瞳には覚悟が現れている
「・・・実は、私もっ」
また立ち上がった優羽ちゃんに
「・・・私、も」
瑛美ちゃんまで
「「・・・え」」
乙女の決意は肌まで艶めくみたい
キラキラした三人に
気がつけば
まるちぃと二人、拍手を送っていた
「・・・んと、なんで拍手?」
「いや、なんとなく?」
「ふーん」
優羽ちゃん、怖いんですけどっ
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