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空気となった田中は一階のリビングへと移動した。
そして、そこには空気人類の天敵 扇風機が鎮座している。
一度、奴の中へ迷い込んでしまえば、
高速で回転する羽根により身体が切り刻まれ、一瞬でお陀仏。
普段は、田中が帰宅したときに志織が電源から消しているのだが、
今日は忘れていたらしい。
空気を切る鈍い音は、
まるで田中が来るのを今か今かと待ち侘びているかのようである。
意外にも、ここで敢えて敵の懐へ入り込む度胸を
持ち合わせているのが、田中という男だ。
いざ、突入。
イダァァァァァァァァァァ!!!!!
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!
ボガーーーーーーーーーーン!!!
シャキーーーーーーーーーーン!!!
後半に関係のない効果音が入ってしまった。
命からがら生き延びるも満身創痍の田中は、排気口から外へ出た。
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