大団円

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 へっぽこな探偵がへっぽこな推理を繰り広げ、それを修整し解決へと導くイケメンミステリー作家の物語だった。  これが全国津々浦々の本屋に出回るという訳だ。超恥ずかしい。 「お、探偵さん、来てくれたのか?」  エロくないエロ小説家が帰ってきた。 「あ、新作読んだのか?」 「いえ、今受け取ったばかりです」 「そう。あ、サインしてやるよ」  真昼野譲二は俺から本を奪い取り勝手にサインをしやがった。 「あれ、エコバッグ。買い物ですか?」 「いや」  真昼野譲二はエコバッグから大量のチラシを出した。 「これは?」  見ると河豚料理屋のチラシだった。 「ただいま。あ、お久しぶりです。元気でしたか?」  元お巡りさんも帰ってきた。 「こんにちわ〜」 「こんにちわ!」  元気な子どもたちを引き連れて。  食堂内は子どもたちのはしゃぐ声でゆっくり食事をするどころではなくなった。どう言う事だ?
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