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「美代子暇人だなあ」
俺は御子柴探偵事務所所長の御子柴ゴンである。まだ開業したばかりなので暇である。幼馴染みの美代子が畑仕事の合間に俺の仕事の邪魔をしに来るのが日課となっている。美代子本人は助手のつもりらしい。
「私が作ったんじゃないってば。拾ったって言ったじゃない」
「どうせ近所の子が落としたんだろう」
「そうかなぁ」
そうかなぁって、折り紙を大人がするわけがない。
「え……。『真綾は譲二の唇を己の唇で荒々しく塞いだ。その右手は休むことなく譲二の〇〇を☓☓し続け譲二の△△は……』何じゃこれ〜!?」
ピストルは折り紙ではなく小説のページで折られていた。それも官能小説の……。
「こんな物落ちてるとはけしからん。子どもが見つけたら大変だ」
「でしょ。だから見つけたら子どもの目の届かない所へ速やかに処分して下さいって回覧板回って来た」
「回覧板回るほど落ちてるのか?」
「今ご近所さんで話題沸騰中だよ」
誰が何の目的でこんなふざけた事をしているのだ。イタズラじゃ済まされない。
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