取り引きの夜

11/11
前へ
/104ページ
次へ
 ならば今犯人たちを包囲しているのは射撃の名手たち。ピストルにも詳しい事だろう。これは心強い。 「お父さんが長年勤めてきて築き上げた人脈ですね」 「まあ警察は縦社会だ。元とは言えコーチに頼まれたら断れなかったんだろう」 「お父さんの人望ですよ」 「何が人望だ。家族からの人望は0だけどな」  そう言ってはいるが、真昼野譲二の顔は誇らしげにニヤついていた。  そして警察官たちが荷物を調べる。その先頭にはお巡りさんがいた。子どもたち相手に話をしたりジュースを注いだりしていた穏やかな顔ては無く、厳しくも頼りがいのある顔をしていた。 「何だこれは!?」  発泡スチロールのフタを開けたお巡りさんが叫んだ。  やはりピストルか!?  
/104ページ

最初のコメントを投稿しよう!

36人が本棚に入れています
本棚に追加